「メイレ〜ン、僕達仲良いねって言われたよ〜」
「あら、嬉しいわね」
「うんっ」
クーンは嬉しそうに笑う。その無邪気な笑顔にメイレンも微笑んだ。
この二人を見ていると、なぜ仲が良い言われたのかが分かる。
が、クーンはにっこりと笑いながら言ってはいけないことをさらりと言ってのけた。
「でもさ、仲良いって言われても最終的にボクはメイレンに裏切られるよね」

D・S・C〜♪


只今、皆様にお見せできないような映像が流れております。元に戻るまでもうしばらくお待ち下さい。


「………すまん、クーン。私がメイレンの傍にずっといればこんな事には………」
フェイオンが傷付いて倒れているクーンに向かって謝る。
それにクーンは弱々しく対抗した。
「……そう思ってんなら、助けてよ………」
「いや、その………俺もメイレンが恐くて………」
本音がつい出てしまったフェイオン。その頭にメイレンの飛び蹴りが炸裂した。
もちろん、すぐにノックアウトされた。
「まったく………もう少し男らしくしなさいよっ!!」
そう言ってメイレンは倒れているフェイオンを飛び越え、クーンの傍にやってきた。
「ごめんね、痛かったでしょう?」
痛いっていうレベルを遥かに超えているのだが、メイレンが傷をすぐに治してくれた。
暖かい力が、まるでメイレンの優しさのようだと思った。
「………はい、これで終わりよ」
メイレンがそう言うと、クーンは体を少し動かして完全に治っているのを確認した。
「ありがとう、メイレン。すっかり良くなったよ」
「お礼なんていいのに………元はといえば、私が悪いんだから………」
「それでもありがとうだよ」
クーンがにっこりと無邪気に笑う。
「だって、優しくない人だったら自分が傷つけたものを治さないもん」
「クーン………」
メイレンは嬉しくなり、涙が込み上げてきた。必死で涙を抑えようとしたが、抑えきれなくなり流れた。
すると、クーンは驚いた顔をして言った。

「これが鬼の目にも涙?」

ぶちっ、と何かが切れる音がクーンの耳に聞こえた。
前を見れば、鬼のような形相をしたメイレンが立っていた。
そして――――――

「んぎゃあーっ!!」


これ以上は危険なので放送を強制終了致します。


ぶつり。


終わり。

 

 

 

 

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