女性陣がカイゼルシュルトの新しくできた洋服店へ買い物に出かけた為、その日のエアベルンの中は男性陣のみのむさくて暑苦しい状態だった。
それだけでも相当大変な状況なのだが、普段女性陣が料理を作ってくれているので今日のお昼をどうするかという問題があった。
その問題にいち早く気がついたのはレイナスであり、これをどうやって解決しようかと一人悩んでいた。


「料理が作れるのは誰かな?」


まず、ザード、ドモラ、ベルンハイムの三人は論外であろう。
料理が作れそうには見えないし、何よりそんな姿が想像できない。
次にハント。
ハントは自炊できそうな気もするが、最近まで傭兵をやっていたということは食事は国から出されていたことになる。
つまり、あまり期待できそうにない。


「……となると、残りはロナードとヴァイスか。二人なら料理くらいできそうだな」


そこまで考えて、はたと止まる。


(いや、ちょっと待てよ……)


ロナードに料理を頼んでも「ミルザフルーツでも食べればいいんじゃないか?」とか言って、結局まともな料理を作ってくれなさそうだ。
ヴァイスも同様にカフジェレーを勧めてきそうだ。
しかも、カフジェレーを食べれるのはヴァイスくらいしかいないので、ミルザフルーツよりも質が悪い。


「……仕方ない。こうなったら、俺が料理するしかないか」


結局は一番最初にその問題に気がついてしまったレイナスが作るのが早い気がした。
レイナスは料理を作ることを決意すると、エプロンやら三角巾を準備してそれらを身につける。
そして、「よし!」と気合いを入れてから料理を始めたのだった。





「……レイナスさん、これは一体………?」


食卓の上に乗せられた目の前の物とエプロンを着たレイナスとを交互に見比べながら、ヴァイスは先程の言葉を発した。
ちなみに、ヴァイス以外の人達もレイナスに視線を集中していた。
ただ、レイナスだけはにこにこと笑顔を浮かべていた。


「カップラーメンだよ。お湯を注いで3分経てば出来上がる優れ物さ!」
「それは見れば分かるっつーの!……そうじゃなくて、何でカップラーメンなんだって話だ」


的外れな答えに業を煮やしたのか、ハントが再度そう尋ねた。
すると、レイナスは恥ずかしそうに後ろ頭を掻きながら答える。


「いやぁ、自分が料理できないってことすっかり忘れてたんだよね。でも、このままじゃお昼ご飯食べれないと思ったからカップラーメンにしたんだ」


あはは、と笑うレイナスに皆は呆れてしまったが、
お昼ご飯を食べれないよりはマシだろうという考えから、その後はカップラーメンについては何も言わなかった。
ただ一つだけレイナスを除いた全員はあることを心の中で思っていた。


(カップラーメンを作る為だけにエプロン着ける必要ないだろ……)








→あとがき

えーと、一応これがレイナス収穫祭の没話になります。
軽くキャラ崩壊してるな(笑)
ネタはあったけど、実際には書いてすらいなかったので、書いてて凄く骨が折れました。
文章も滅茶苦茶な気もするけど、楽しかった!←

ちなみに、没になった理由がカップラーメンってクラウディアよりエルディアの方にありそうだよなとか思って没にしました。

あと、個人的にレイナスが身に着けたエプロンはひよこ柄をイメージしながら書いてました←

何か、色々とすみませんって感じです

 

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