題無しパート2
 
  
 
  「……なんなんですか?ここは……」
 生きている者がまるでいないかのように、ここアルペイトケイブは“死”というものに包まれていた。
 そこにレイナス達はフューゼを倒す為に来ていた。
 ヴァイスがそんな事を言ったのは、まだここよりましだった地上から、ここ地下へやって来た時だった。
 ここには濃密な程“死”が漂っていた。
 「フューゼの所に近づいた……って事なのか?」
 ハントは少し冷や汗を流している。他の人達も息を呑む。
 重たい沈黙が流れる。
 しかし、それをレイナスが破った。
 「とりあえず、前に進もう」
 みんなはそれに頷き、奥へと進んで行った……。

 「はぁぁぁぁっ!!」
 気合いと共にレイナスは両手に持っている剣で切り裂いていく。そこへハントの銃が敵を貫く。
 だが、一体倒しても他の何体かが攻撃をしてくる。
 ロナードの一閃がその何体かを倒すには至らなかったものの、動きを一瞬遅らせた。
 その間にレイナスは回復魔法を唱えているニアの前に行き、守護をする。
 ズバッ
 敵は分散し、それぞれ違う敵に攻撃される。
 しかし、タイミング良くニアの旋術が仲間の傷ついた体を癒していく。
 「神の衣」
 ニアの声と共に暖かい光が全員に行き届く。
 レイナスとロナードの二人は自分達を攻撃した敵にカウンターとして斬った。
 どうやら、後ろに下がっていたらしいハントは銃に自分の魔力を込め、敵全部に弾を(しかも全弾)撃ち込んだ。
 しかし、まだ敵は倒れなかった。
 大分減ったとはいえ、あと二体も残っている。
 みんなに疲労が見え始めてきていた。
 ――その時、後ろの方からヴァイスの声が聞こえてきた。
 「みなさん、敵から離れてっ!!」
 後ろを見れば、どうやら詠唱が終わったらしく、体中に帯電していた。
 みんな(レイナスとロナードの二人だけだが)はヴァイスの指示どおりに敵から距離を取った。
 「バルザライザー」
 ヴァイスの声と共に青白い光が敵二体を囲むように、轟音と共に落ちた。
 雷はこれ以上ないという程、敵をズタズタに切り裂いていった。
 そして、気が付けば敵はもういなかった。
 「……このままではキリがないな」
 「確かに。…しかし、確実にフューゼの近くに来ている事も確かです」
 「………」
 ロナードとヴァイスの話を聞かずに、ニアは目の前にある扉を見つめる。ハントはニアが不安がっているのかと思い、元気づける。
 「ニアちゃんは俺が守るから、安心して大丈夫だぜ」
 しかし、ニアは首を振る。
 「……違うの。あの扉からフューゼの気配がするの……」
 ニアは、すっ、と指をその扉に差す。みんながその扉に注目する。
 「本当…なのか……?」
 レイナスが確認をする。それにニアは軽く頷く。
 「よっしゃ!!気合い入れてこうぜ!!」
 「……ふっ、了解した」
 「不本意ながらも、ハントさんの意見に賛成です」
 「……レイナス、行こう」
 「あぁ!!」

 ――フューゼを倒しに………。


  fin
 
  
    →あとがき
 バトルシーンが書けて嬉しかったのをとりあえず覚えてます。 
 これもブログに載せたものですね。

 

 

 

 

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